2015年8月28日金曜日

穴蔵


昏き宵闇を常に抱く穴蔵にて私は認める。
生死の観念など当の昔に掻き消えた。
私とは何やと考えるのが日常にて書いたか記憶に無い。
私の記憶ほど危うい物も無い。
一秒で忘れられる物を競うなら我はわが名を忘れよう。
扨、闇を覗くもよし、闇を除くもよし。
貴様を誰より縛るは貴様で在ろう。
其の歯車の欠けた者の狂気なる世界。
【穴蔵】


著 山梔子紅

1000円(送料込み)

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